比重







熱伝導率


電気伝導率

ものづくりの感性

かつて大田区の町で育った子供たちは、金属などの材料を体で覚えてきた。
町工場の廃材置き場から、ちょっと「お借りした?」鉄パイプでチャンバラをし
鉄パイプの硬さと重さを体にしみこませた。
体の小さかった私は、軽合金のアルミパイプを発見したとき自慢げに腰に挿し
その美しい白銀色を見せびらかしたものだ。
しかし、戦いの場面で脆くもその自慢を打ちくだかれっていった。
鉄パイプの硬さの前には、アルミパイプなど紙筒のようなものだったからだ。
今思うに、そのころ伊藤精機さんのチタンパイプがあったら向かうところ敵無し
であったろうと・・・。

今私は、このような経験をしてこなかった子供たちに、都立高専でものづくりを
教えている。
教科書の中から抜け出して、五感を使って素材を判断する能力を持とうと語り
かけている。
町工場の中から借りてきた部品の数々、金型に使う鉄系材料、デジタル機器
のマグネシウム合金、航空機用のジュラルミン、計測機器のチタン、OA機器
のアルミ・亜鉛、そしてABSやアクリルなどのプラスチック樹脂。
これらの重さ・硬さなどを体験した後、「比重」や「硬度」などを学んでいく。
数字はインターネット上に転がっている、まず五感で感じよう!

私の授業を受けられない方々へ
五感から材料を判断するのに必要な知識集をお届けする。
ものづくりプランナー No.A0001
                          2012,11,24

時が経ち、非常勤の都立高専から本業の検査屋ものづくりに専念する。
たまにお声のかかる近所の専門学校機械科で、昔取った杵柄とやらで
「産業スパイ講座。五感で盗め!」などと講義をさせていただくことがある。
その時、話題とするのは「君の持っているスマホ」の重さは?
という問いかけである。50g〜500gといろいろな答えが返ってくる。
持参したお勝手用の電子天秤で、夫々に測らせながら、
「ガラケイからスマホに変って行ったときに、重さに対する変化があった。
それまでは、100gを切ることが開発者への命題であった。」などと話をする。
何の為に自分のスマホの重さを測るのか!?
例えば、
メッキ屋さんで、塗装屋さんで、客先の廃材置き場で、見慣れない
ケースなどを見かけたとき、大きさと重さ情報はお持ち帰りの必須条件だよね。
写真が撮れたら?撮れなかったら手のひらで採寸。
重さは?手で持って測る?
その時、天秤の分銅の役目を果たすのが手ごろな製品。

ポケットから携帯を取り出し、未知の物体を片手に自分のスマホを片手に比較
し未知な物体(ケース)の重さを推測しよう。そしてその物体の外観の色合い。
その情報を持ち帰って、上司に報告すれば・・・。
上司は大きさ(体積)と重さから比重を計算して、表面の色合いから処理を推測し
化学的・熱的見地から材料を特定するだろう! 君たちの昇進間違いなし!!!
私が
メッキ屋で顧客のライバル社が、素材をアルミからマグネシウムへ切り替えた
事を突き止め、顧客の窮地を未然に防いだ経験談である。


そして話を進め課題にするのが、「銅」・「銀」・「金」 である。
文科系の年寄りたちは、この文字の並びから「人生」を連想するらしい。
結婚生活の積み重ねの年月、金婚式・・・。
 若者たちにこんな話はしない。
今だと2020年、オリンピックの金・銀・銅メダルだ。
出題するこちらは教職者では無く、経済人なので「金メダル。お幾ら?」
をテーマとして、銀メダル、銅メダルの値段も算出する。
昨年のニュースで、女子体操のコマネチの前に有名になった、ソビエトの
コルブトという女子選手の話題が流れていた。彼女がアメリカに移住した
のち生活に窮して金メダルを売った、一個600万円位だったとのこと。
暖かく締めくくったニュースだった。
 さて、話を戻して
金メダル、幾ら?
加工賃は別にして材料費(地金ベースでいくらになるか計算しなさい

<問題>
直径φ100×厚み8t   本日の金の地金レートは\5,000/g
という設問で

 答えは  こちらへ2017,11,24

最近、比重がらみで話題になっているのがプラスチックのごみ問題である。
海洋を漂うマイクロプラスチックゴミの材質はPEやPPの比重1.0以下の
樹脂である。

マイクロプラスチックゴミの模擬サンプルを製作した経験から、広域に散らばった
マイクロゴミを回収することは並大抵のことではない。

ゴミを作らない!?出さないことだ。          2018,10,24